うごめく架空

NFTアートでもやるか、と軽率に思い立つ。

NFT。聞けば聞くほどよくわからなく、正直なところ特に価値のあることだと思えない。さておき、ちょっとした手すさび程度にならやってみてもいいだろう。

NFTアートを売買するサイトみたいのがある。そこでは仮想通貨、暗号資産、なんかそういう名前の、よくわからない架空っぽいやつがお金として使われている。架空っぽくても、ちゃんとその場で効力を持つお金。当然、僕もそれを持っていなきゃお話にならない。暗号資産をやりとりできる口座を作って、キャンペーンでもらえたちょっとのお金と、自分のお金をもうちょっと口座に入れて、架空のお金を買った。計7,000円くらい。

売買サイトに戻ってもろもろ進めていると、なんか初期手数料に1.5万円ぶんくらいの架空のお金が要るっぽいことがわかる。ばかを言うんじゃない。ようわからん遊びにそんなにお金が出せてたまるか。大して富んでおらんのだぞ。中止です。

どうしようもないので、宙に浮いた架空のお金を観察している。わからんなりに毎日グラフを見る。半月ほど経った。その間、7,000円のお金が一時9,000円近くまで持ち上がり、その後7,000円くらいに戻ってきている。僕の目には特に価値があるように見えないよくわからんものが、勝手に膨らんで勝手に萎んでいる。

得体が知れずもぞもぞ動いている何かに、気持ちわる〜〜〜とだけ思う。