いくつかのおもしろいを

年末いろいろ見てすこし考えた。

 

キュウ

感情で駆動しない。グルーヴで駆動しない。
ひとつの切り口からロジカルに発展していく、パズルのような漫才。

明らかな意図をもって作り上げられた作品で、またふたりともはっきりと「役」を演じている。彼らの態度が場を「演じ手」と「鑑賞者」に分離する。舞台と客席に大きな隔たりを設けて、客とひとつの空間を共有しない。見てる側に熱を伝播させることが勝ちにつながりやすい(ように見える)M-1で、あのスタイルで準決勝まで進めてしまうのって、本当にすごいんじゃないか。

 

ヒコロヒー

意地悪な視点の提示に魅力がある。その視点をプレゼンする能力にも長けていて、それがタレント力に直結しているんだろうと思う。

一方で、それをコントで表現しようとしたとき、持ち前の「視点」を面白がってもらいたいがために説明的になりすぎているように見える。ひとりでやる制限もあってか、芝居ではなくプレゼンになってしまう。「○○なのに××」というお題に沿った大喜利を並列されていくような感覚。

 

錦鯉

準決勝を見たとき「今年は錦鯉が勝つんだな」と思った。バカがどんどんスピードアップしていって、こちらの感情もドライブさせていく。おもしろいねえ。

 

モグライダー

ともしげにいかに負荷をかけてエラーを吐かせるか。芝はそういう設計をしているらしい。

見られる範囲でいろいろ見ていくと実際プレッシャーミニゲームを量産していて、ちょっとしたゲームクリエイターのようだと思う。ゲームの上でストレスを与えて失敗を待つ。カイジのあっち側みたいなおもしろがりかただ。ところで芝という人は、ストレスから出たエラーを全部捌ける自信があるということなので、おそろしい。

 

テレビで見た範囲で。